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ハナダイコンとダイコンの花

ハナダイコン2


ダイコンの花


 とつぜん女風呂の脱衣所が映され、そこを覗き込むオヤジの助平そう顔が大写しになる。この得なというか、可哀相なというか、ヘンなオヤジを演じたのは江戸家猫八だった。もう30年以上むかしのTVドラマだから若い人はご存知ないだろう。メインキャストは森繁久弥、竹脇無我、加藤治子など。向田邦子の初期の脚本で題名は『だいこんの花』だった。そのタイトルバックに毎回、薄紫の花が揺れていた。後で知ったことだが、それが「だいこんの花」だった。実は静岡県の田舎で育った私は、それまで こんなだいこんの花を見たことがなかった。私の知っていたのは、写真のような白い花。

 好天に釣られて、きょうは久しぶりに野川の畔を歩いてみた。アシ、ヒメガマ、セイタカアワダチソウなどの枯れ茎の下にタンポポ、ホトケノザ、オオイヌノフグリなどの小さな花を探して歩く。東経大の南の斜面に思いがけなくハナダイコンが咲いていた。旧友に出逢ったような懐かしさを覚えた。

 近くに「ハナダイコン緑地」というバス停がある。数年前まで、このバス停近くに数百坪の栗林があった。春になると一面にハナダイコンの花が咲いて紫の絨毯を敷いたようになった。ところが、ここにRマンションが建つことになり、付近の住民から反対の声が挙がった。R側は栗林を50坪ほど残すことを条件に住民を説得した。ところがマンション完成後は栗林の手入れをしないからハナダイコンは年々少なくなり、今ではバス停の名前だけが残っている。
 
 ハナダイコンは同じアブラナ科ではあるがダイコン属のダイコンとは違う。こちらはオオアラセイトウ属である。別名の多い植物で大紫羅欄花(おおあらせいとう)、紫花菜」(むらさきはなな)、紫金草(しきんそう)、諸葛菜(しょかつさい)などとも呼ばれる。 アラセイトウとは変わった名前だが、園芸植物のストックのことである。要するにハナダイコンにいくら肥料をやっても大根は出来ないということである。
 原産地は中国で江南方。中国を旅した日本画の巨匠橋本関雪は『支那山水随録』で、この花を次のように紹介している。「紫毛氈を敷いた如く、繁殖力特に盛んなり。わが紫雲英(レンゲソウ)に比すべく、その花さらに美なり。」 
この名前については興味あるエピソードが残っている。名前をめぐっての逸話として、約20年ほど前に朝日新聞の声の欄でたたかわされた名称談義を紹介しています。そして、このことが、植物学者でもあった先の天皇陛下のお耳にも達して、「牧野(富太郎)が最初にオオアラセイトウの和名を付けているのだから、それでよいのではないか。」と言われた。それで、結局「和名、オオアラセイトウ、一名、ショカツサイ」ということで決着したらしい。
 諸葛菜の語源は諸葛孔明(しょかつこうめい)が 出陣のさきざきでこの種子を蒔き、 食糧となるよう栽培したことから名付けられたという。三国志の英雄孔明についてもっと書いてみたい気もするが、 八木節が聞こえるような気がする…
  ♪ ♪ 「 もっとこの先書きたいけれど、やめろまめろの声出ぬ前に、
       ちょいとここらで ご免こうむりましてぇ またの出会いを楽しみに…
         オイサネェ」 ♪ ♪
  
         (写真は「ハナダイコン」と「ダイコンの花」)


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by 杜の小径  at 05:35 |  日記 |  comment (2)  |   |  page top ↑
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