FC2ブログ
 

「風の大会」余話-不思議な出逢い

風 111


九州


風 118


「風の全国大会」参加者のうち、九州組有志の皆さんと浅草を散策する。高原伸夫・美智子ご夫妻をはじめ6人の皆さん。
 仲見世通りは相変わらずの混雑だが、一歩脇に入ると昨日までの三社祭の賑わいが嘘のように静かだ。奥山一帯をゆっくり歩きながら日本最古の石橋、針供養の粟島神社、さらに映画弁士の碑、喜劇人塚、のんきな父さん記念碑、三宗(宗祇、芭蕉、其角)の句碑などを見て回る。
 昼食は勝海舟や中浜万次郎も贔屓にしたという鰻の老舗「やっこ」。ランチタイムで混んでいたが、顔見知りの女将さんが特別に二階に席を用意してくれた。
 高原さん以外は今回初めての会いだったが、皆さんの詩歌に対する志の高さに圧倒される。食事の間も終わってからも、話題は五行歌のことばかりだった。話題が尽きず、甘味処の老舗「い津美」へ席を替え、時間を忘れて話し合った。また新しい友人ができた。

 今回の全国大会では、私個人にとっても不思議な出会いが二つあった。一つはこの大会に高原美智子さんが出された次の作品との出会い。

   うす紫の花大根を
   さぁーとゆらして
   海風
   山へと駆け登る
   小さな島に春が広がる

 映画のフェイドイン手法のような見事な写生歌である。が、私を驚かせたのは作者コメントで作品中の「小さな島」が博多湾に浮かぶ能古島だと判ったことだった。私の師、檀一雄は1976年1月2日に死去したが、その2年前にこの島に小さな別邸を建て、月壷洞と名づけて移り住んだ。檀の死後、毎年5月の第3日曜日には檀を偲ぶ「花逢忌」がこの碑の前で行われている。これは絶筆となった「モガリ笛 幾夜もがらせ 花二逢はん」に因んだものである。この月壷洞が取り壊されることになったので、今年こそと能古島行きを決めていた。ところが、この大会のため行けなくなった。正に大会中の18日が今年の花逢忌だった。私は美智子さんのコメントを聞きながら、師が「来なくてもいいよ。今年は五行歌の大会で頑張りなさい」と言っているような不思議な気持ちに襲われていた。

 大会が始まる直前、或る婦人が1冊の本を持って私の席に来られた。「失礼ですが、ここに載っている村瀬杜詩夫というのは村瀬さんのことですか?」…見ると二十数年昔、小学館が出した『花の歳時記』(全8巻)に書いた私のエッセィだった。おぼろげな記憶によると池坊保子さんや立原えりかさんたちと花に関するエッセィを寄稿していた。その婦人は大会で2席に入られた中島小春さんだった。この本が読みたくて古本屋でやっと手に入れられたという。その中に私のエッセィが載っていたとは。これも不思議な出会いであった。
 
  一つ書き落とした。浅草散策をご一緒した のぎたえいほさんが、嘗て私が私淑した加藤楸邨が主宰する「寒雷」の同人であることが判った。これも奇遇である。  

            (写真:浅草散策のスナップと『花の歳時記』)
 
スポンサーサイト








※ スパム対策の為、暫くの間コメントは承認制にさせていただいております。
  コメントを頂いてから表示までにお時間をいただく場合がございますが、
  何卒ご理解くださいますよう、お願い致します。(管理人)

by 杜の小径  at 22:24 |  日記 |  comment (0)  |  trackback (0)  |  page top ↑

第二回「風の全国大会」終わる

コピー ~ 全景


コピー ~ 全景1


コピー ~ 小杉


 17日から横浜市かながわ県民センターで開かれていた第二回「風の全国大会」が盛会のうちに終わった。
 詩としての五行歌を楽しみ、創る、自由な詩人たちが、九州からの「南の風」(高原伸夫代表)、湘南からの「ハマ風」(松本希雲代表)、東京からの麹町倶楽部(赤井登代表)などのほか全国から自由参加の人たちが駆け付けた。

 真摯でアカデミックな雰囲気の中で活発な意見が交わされ、麹町倶楽部の小杉さん以下、¥10名の入賞者が決まった。上位3名と作品は次と通り。

1席 小杉淑子さん 

   靴底に
   昨日の失敗
   ぐいっ
   ふみつけて
   出勤

2席 中島小春さん

   亡夫(あのひと)がなかなか
   お迎えに来ないから
   適齢期を逃した と
   照れている老母(はは)
   百一歳の誕生日

3席 腰原常雄さん

   再々発・入院前夜
   友の激励会
   「もう一本だけ」
   聞いてやればよかった
   悔いがつまみの一人酒

     (写真:上から参加者A~F組、G~K組、1席の小杉淑子さん)

 歌会の後は会場を桜木町ワシントン・ホテルに移して全員参加の懇親パーティー。     
 そして恐怖の即席五行歌大会。爆笑…哄笑… 遂に30階建ホテルが 爆発だ~っ 

 昨18日は鎌倉文学散歩、今日19日の有志による浅草散策で全日程が終わる。




※ スパム対策の為、暫くの間コメントは承認制にさせていただいております。
  コメントを頂いてから表示までにお時間をいただく場合がございますが、
  何卒ご理解くださいますよう、お願い致します。(管理人)

by 杜の小径  at 07:43 |  日記 |  comment (0)  |  trackback (0)  |  page top ↑
プロフィール

杜の小径

Author:杜の小径

杜のMENU
最近の記事
最近のコメント
月別アーカイブ
カテゴリー
カウンター