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季節の花―ドクダミ

どくだき


ドクダミ大


 午後、束の間の陽射しに誘われて1時間ほど歩く。この時期はなぜか白い花が多い。野川に沿った垣にはウノハナ、林にはヤマボウシ。そして広大な栗林の根元にはタンポポの白い絮(わたげ)、林の縁にはドクダミが咲いていた。
 帰宅して my mixi のGさんのブログを覗くと、ゴテチャという変わった名前の花を紹介していた。名前に反してピンクの可憐な花だった。さっき見てきたドクダミなども名前で損している植物である。今日は、この可哀想なドクダミを季節の花として取り上げることにする。

 ドクダミが好きという人は少ないかもしれない。じめじめした暗い場所にひっそりと咲く地味な花だし、独特の臭いもある。それにドクダミという名前が悪い。毒溜という漢字を当てる人もいるほどだ。しかし、よく観ると意外に可愛らしい花である。葉はハート型だし、暗がりに浮かぶように咲く十字の花も小さなヤマボウシみたいで可憐である。実は4枚の白い花びらに見える部分は、総苞片(そうほうへん)といって正確には花ではない。 その中にある写真のような細長い花穂についている小さな黄色いものがドクダミの花である。
 葉には独特の臭気があるが、私はそんなに嫌いではない。田舎ではこれを陰干しして薬用にしていたし、現に私はドクダミ、クコ、ハトムギ、アマチャヅルなどを乾燥した神農茶というのを毎日愛飲している。臭いの元になっているのはデカノイル‐アセトアルデヒド」という物質で、黄色ブドウ球菌や肺炎球菌、白癬菌などの細菌、ある種のウイルスの活動を抑える力があり、その効力はペニシリンに勝ると言われるほど。古くから民間治療薬として用いられ、漢方では10の薬効があるとされ十薬と呼ばれる。俳句では「十薬の花」は夏の季語である。
 ドクダミという名前も毒溜ではなく、「毒を矯める・止める」というのが語源である。私は薬効があるのに人に嫌われ、薄暗い場所でひっそりと咲く姿に惹かれるのだが、もう一つ惹かれる理由がある。実は、あの白い花は徒花(あだばな)なのである。花の後、球形に近い褐色の小さな果実がたくさん付き種子はできるが、不稔性(次の世代の子孫を作れない種子のこと)のため根茎によってしか繁殖できない。その哀れさに惹かれる。ちなみに、ドクダミの花言葉は「白い追憶」という。

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by 杜の小径  at 20:22 |  日記 |  comment (2)  |  trackback (0)  |  page top ↑
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