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数千分の1の「さようなら」

慶応
  

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6月5日 雨。先週の木曜日が検診の日だったが、スケジュール表を見忘れた。電話で予約の変更はできない。予約外の席に並んで、改めて当日の予約をとらなければならない。生憎の雨で着物に雪駄というわけにはいかない。早朝6時、作務衣に雨靴という格好で出掛ける。7:10 病院着。さすがに一番乗りだ。受付開始の8:30まで持参の本を読みながら待つ。
 ところが…、受付が始まると思わぬことが起こった。午後の受付は12:40からだと言う。主治医のY先生でなければ意味が無い。無理に採血だけお願いする。
午後までの4時間を潰すため久しぶりに神保町にでて古書街をぶらつく。39年前にプロジュースした『みちのくの村々』(竹内利美著)と自著『マーシャの日記』を見つけたのは望外の収穫だった。
診断の結果は血圧、血糖値などは正常だが、血中のクレアチンがやや高い。原因は肉類の摂取量が多いのではないかと言う。思い当たるフシもある。突然,Y先生が「タバコ、相変わらず召し上がっています?」と尋ねた。「ハイ、召し上がっています」と答えると、いつも謹厳なサブの女医さんがプッと噴き出した。召し上がるという言い方が可笑しかったのだろうが、最初に言ったのはY先生のほうだ。
「アイソトープの検査をやりましょう。帰りに地下1階の検査室に寄って手続きをして下さい。その結果しだいでタバコを止めていただきます」
「それは厳命ですか?」
「厳命です!」
 
 アイソトープ検査とは極微量のラジオアイソトープ(放射性物質)を含む薬を用いて病気を診断する検査。この微量の放射性薬剤は特定の臓器、骨や組織などに集まり、そこから放射線を発する。この放射線は専用のシンチレーションカメラを用いると画像として写すことができ、その画像から臓器の形や働きを診断できるという。それはいい。問題は渡された検査同意書の1節だ。「この検査ではベルサチンを投与します。その副作用として頭重感、頭痛、めまい、吐き気、熱感、胸痛などを起こすことがあります。また稀に不整脈、心筋梗塞や呼吸困難を起こし心臓カテーテルによる治療が必要な場合があります。その場合の経費は患者の負担になりますのでご了承下さい。…(ここまでは、まあ仕方がない。問題はこの後だ)…数千人一人の割合で死亡する場合があります」…その後に「検査は放射線科医師または循環器内科医師の厳重な監視の元に施行し、そのような危険が生じた場合にも適切な対応をいたします」とは書いてあるが、簡単に言えば数千分の1の確率で死亡する危険があるということだ。
 検査は今月の11日と13日に各4時間ずつかけて行われる。と、いうわけで今日は数千分の1の確率で、皆さんにお別れの挨拶をさせていただく。「さようなら」



 
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by 杜の小径  at 16:02 |  日記 |  comment (4)  |  trackback (0)  |  page top ↑
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