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「水無月乃俳句展」

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  水原亜矢子さんが主宰する久珠の会が、パレスホテル内のパレスビルギャラリーで「水無月乃俳句展」を開いている。一川塾メートの下平紀代子さんが出品されているので、拝見に出かえる。午後から雨という予報だったので早目に出発、10時過ぎに着く。ホテル内の喫茶店で時間を潰してから会場へ。未だどなたも見えていないが、ホテルの担当者が会場へ入れて下さる。無人の会場をゆっくりと廻る。    

   夏ひとり吐息に覚めて夢明り                   
   吹き渡る風や一人の青嶺かな                     
   散りてなほ驕りの恋や白牡丹                               

 何れも亜矢子さんの句である。 小学生のころから叔父の水原秋桜子から英才教育を受けられたというだけあって、俳句には門外漢の私にもぐーんと胸奥に響く作品ばかりである。それに書が素晴らしい。掛け軸、扁額、短冊と大小様々に装丁されているが雄渾且つ繊細な書は、見る者の心を奪う。
 
 私がこの俳句展に興味を抱いたもう一つの理由は、亜矢子さんの作品に触れ、出来ればその謦咳に接したいという思いがあったからだ。去る1月21日の日記「久女忌」で、彼女が故なく「ホトトギス」を除名された事件を取り上げ次の五行詩を書いた。

   張りとほす女の意地や
   藍ゆかた                            
   虚子にぶつけた                         
   無念の一句
   今日は久女の忌

 このとき横暴な虚子を非難したついでに、客観写生を墨守する彼の句風を批判した。そして、それに飽き足らず人間の内面を写してこそ文芸の真実となると主張して虚子と袂を分かった水原秋桜子にも言及した。私は俳句作家ではない。一介の鑑賞者に過ぎないが、心情的には人間の内面を詠む秋桜子と、彼の系譜に属する石田波郷、加藤楸邨、山口誓子、中村草田男など、いわゆる人間探求派に近い。そうした伏線があったから水原亜矢子さんに興味を抱いたのである。

 見終わって会場を出るとき、和服の婦人と擦れ違った。ホテルの担当者と二言三言話したあと、婦人が踵を返して近づいてこられた。水原亜矢子さんだった。手ずからお茶を淹れて下さり、30分近くお話しすることが出来た。望外の喜びであった。

 知人の下平さんとは会場でお会いできなかったが、自ら装丁もされたという作品3点をじっくりと拝見してきた。何れも佳品だったが次の一句が心に残った。
   
   更衣 過ぎし想ひも たたみけり (きよこ)

 俳句展は今月23日まで。(最寄駅・東京メトロ大手町駅 C10出口)

        
   (写真;上から水原亜矢子さんと作品、下は下平さんの作品)


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