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by 杜の小径  at --:-- |  スポンサー広告 |   |   |  page top ↑

ある個展

コンサート 015      コンサート 017    コンサート 013

 夕方から国分寺・司画廊で開かれている友人の個展に出向く。オガちゃんこと小笠原 満さんは、プロの絵描きではない。若い頃から絵を描いてはいたが、本格的に始めたのは会社勤めをリタイアしてから。絵のことは専門外だが素人の私が見ても、ここ2,3年で画境が急速に深まってきた。好きなゴルフを控えて絵を描くことに集中してきた成果だろう。今日の出展作品の中では「浴衣」「裸婦」「錦秋」が良かった。
 
 彼は小学館の教育技術部門の編集長を長くやっていたので、来場者にも小学館の関係者が多い。今日のゲストの中にも『幼児と保育』元編集長Tさん、『小学三年生』元編集長Nさん、『コロコロコミック』元編集長Mさんなど、顔馴染みが混じっている。誰言うとなくハロウィーンの会をやろうということになる。ちなみに今夜のメンバーの中にクリスチャンは一人もいなかった。 オガちゃん行きつけの「しちりん」で飲み始め、「天松」で生牡蠣と焼き松茸。最後は「一の矢」の手打ち蕎麦で〆。


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by 杜の小径  at 22:25 |  日記 |  comment (0)  |   |  page top ↑

感動! 霧生トシ子さんのリサイタル

          コンサート 003         霧生トシ子  
 
 夕方から浜離宮朝日ホールで開かれる霧生トシ子さんのピアノ・コンサートを聴きに出かける。トシ子さんは、ニューヨークでジャズボーカリストとして活躍中の霧生ナブ子さんのお母さま。既に先月末、彼女からリサイタルのお話は伺っていたが、当時は小生の体調不良で、はっきりしたお返事ができなかった。体調も戻ったので、「できることなら私も駈け付けたい…」というナブ子さんの想いを背負って会場へ向う。

 トシ子さんが特別に配慮して下さったらしく、席は4列目中央の特別席。客席は1,2階とも満席で、トシ子先生の人気のほどがうかがわれる。少し早めに着いたので、舞台ではピアノの調律の最中だった。音色と反響が素晴らしい。舞台の三方を表面に波をつけた厚い木の壁で囲み音が散らないように工夫されている。天井は3階分の吹き抜けで、ここへ抜けていくせいか音質が素晴らしい。

 トシ子さんは、黒一色のコスチュームに真珠のネックレス。ピアノの前に座ると静かに一呼吸。水を打ったように静まり返った会場に、深く鋭いピアノの音が響く。
最初の曲はベートーヴェンの『自作主題による六つの変奏曲』。彼がこれを作曲したのは難聴がひどくなり有名な『ハイリゲンシュタットの遺書』を書いた頃で、そのせいか第5章には葬送曲を思わせる沈痛な趣がある。堂々たる演奏が終わると、会場から爆発したような拍手が湧き起こった。

 2番目はシューベルトの『楽興の時』で、即興的な小品6曲から構成されている。
 第1曲モデラートは、転調による鮮やかなコントラストが見事である。
 第2曲アンダンティーノは、穏やかな曲が3拍子で演奏されるのだが、時に加わるリズム的変調が高度なテクニックをうかがわせる。
 第3曲アレグロ・モデラートは、美しくリズミカルなタッチが聴きどころ。
 第4曲モデラートは、シンコベーションによる音色の変化が美しいが、これは奏者がジャズ演奏にも熟達しているからかもしれない。
 第5曲アレグロ・ヴィヴァーチェは、シューベルトらしい即興的転調の面白さが、奏者の高度なテクニックで余すところなく表現された。
 第6曲アレグレットは、賛美歌風の曲だが、ここにも高度な転調技法が使われている。

 3番目はショパンの『マズルカ』。マズルカは彼の故国ポーランドの民族舞踊曲である。ショパンは21歳のときウイーン経由でパリに旅立つ。途中でワルシャワがロシヤ軍によって陥落したことを知り帰国を諦め、生涯の殆どをパリやウイーンで過ごす。そうした彼にとって『マズルカ』は望郷の曲でもあった。軽快な中にも哀愁を感じるのは、そのせいであろうか。
 
 最後は今夜のハイライトとも言うべきショパンの『12のエチュード』。第1番の『牧童の笛』、第9番『蝶々』、第11番『木枯し』、第12番『大洋』などを含む練習曲全12曲が一気呵成に演奏されるのは圧巻であった。

 演奏が終わってもアンコールの拍手が鳴り止まず、トシ子さんは7回舞台に現れて挨拶を返し、そのうち2回は小品を演奏してアンコールに応えた。正に感動の一語に尽きるリサイタルであった。
 ナブ子さんから「母のリサイタルの様子を知らせて」と頼まれていたが、舞台の撮影はもちろん禁止。終わってからトシ子先生に無理にお願いして、ファンに囲まれているところを1枚だけパチリ。ナブ子さん、これでお許し下さい。お母さまは、本当に素敵でしたよ。

【霧生トシ子さんの略歴】
東京生まれ。東京芸術大学、ウィーン国立大学卒業(最優秀特別賞受賞)。L.コハンスキー、井口秋子、R.ハウザー、宅孝二の各氏に師事。NHK・毎日音楽コンクール第2位、ウィーン・ステファニー・ピアノコンクール第1位。ABC交響楽団の欧州公演、東京フィルとの東南アジア公演、リンツ・ブルックナー交響楽団の定期公演のソロイストを努める。1985年、カーネギーホールでリサイタルを開催、1992年、インド・国際ジャズフェスティバルに参加するなど、世界各国で活躍。レパートリーはバロックからジャズまで幅広く、ショパン名曲集、ラヴタッチピアノ「いそしぎ」などのレコードもリリース。尚美学園大学教授。

  




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by 杜の小径  at 02:40 |  日記 |  comment (4)  |   |  page top ↑

定期検診/麹町歌会

 百花百兆    koujimati.jpg

 10月28日(火) 晴。定期健診。6時前に家を出て7時に病院に着く。採血と検診の自動受付を済ませたあと、神宮外苑を歩く。ここは舗道がランニング・コースになっていて、100㍍ごとに距離を示すプレートが埋め込まれている。この朝は早朝ウォーキングをしなかったので、1時間ほど歩く。夕食と朝食を抜いているので、採血が済むと1階の「百跳」に飛び込む。和定食の内容は焼魚、味噌汁、お新香、焼海苔の定番に牛蒡の胡麻和え、サラダが添えられている。デザートはクランベリー添えのヨーグルト。これにお替り自由のコーヒーが付いて680円は廉い。ただし全席禁煙。
 検診結果は血圧、血糖値ほか全ての数値が正常。ただ血中カリウムが思ったほど下がっていなかったが、これは排泄剤の服用を続ければ問題無いとのこと。引き続き果物は当分の間禁食。
 
 着替えのため一旦帰宅し、夕方から麹町倶楽部第116回歌会に出席。今月も新しい方の参加があり、麹町も月ごとに賑やかになる。メンバーの川崎さんから白米2袋ずつの差し入れがあった。福島県下で友人たちと有機肥料を使った自然農法で米作りをされていて、白米はそこで今秋収穫されたもの。範子さんからは大きな丹波栗の差し入れ。今回の結果は以下の通り。

【自由詠】

   手紙を書いて
   便箋を三に折って
   封をして
   切手は・・・
   つい、なめる(一席・鍬畑)(敬称略、以下同じ)

   満たされないまま
   十三夜
   ふっと月が
   笑ったような
   足りないくらいがちょうどいい(同点二席・史緒)

   コトリ、と
   音がして
   秋の扉が開いた
   ふる里の母からの
   果物と野菜と手紙(同点二席・下平紀代子)

     
   親子で
   浮きと
   睨(にら)めっこ
   三歳児
   いっぱしの眼光(同点三席・赤井 登)

   いつものスーパーで
   今夜は
   ホウボウの刺身を買った
   ちょっとユニークな顔
   私に似ていなくもない(同点三席・今井幸男

   雪が近い
   安曇野
   青きもの
   埋めおく穴
   深く掘られる(村瀬杜詩夫・選外)


【題詠/落ちる】

   「これしかない」で  
   落ち込んだり
   「あれもあった」で
   舞い上がったり
   平均すると「ま、いっか」(一席・はなちゃん)


   音もなく
   するりと落ちた
   肩紐に
   問うてみたい
   ことがある(二席・今井幸男)

   これで
   楽になった。
   ぽつりと
   落ちた熟柿が
   呟く (三席・村瀬杜詩夫)





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by 杜の小径  at 17:41 |  日記 |  comment (8)  |   |  page top ↑

雨の日の徒然に…編

ヤッケさん

 今日は茨城県の鶴舞C.Cでゴルフの予定だったが、昨夜晩く世話人のGから電話が入った。「あすはドシャ降りのようですよ。延期にしましょう。ご老体に風邪でもひかせたら申し訳ないですから…」。雨で中止は勿怪の幸いだが、コイツはいつも一言多い。どうもヤメ検というのは口が悪い。顔も悪いが。ちなみにヤメ検というのは検事上がりの弁護士を指す業界用語である。

 ヴェランダへ出てみると、雨音がしない。いつもより30分遅れで、登山靴にフード付のヤッケを着て歩き始める。ヤッケにポツリポツリと雨の落ちる感触はあるが、傘をさす程ではない。
 交番の前まで来ると、お巡りさんが座っている。いつもは「パトロール中」の貼紙がしてあって巡査の姿は見えないが、今朝は5時に立ち寄るパトカーを待ち受けているのであろう。遠目にも鋭い視線を感じたので、わざと近付いて「お早うございます」と大声で挨拶する。その途端に椅子に座っていた警官が跳び上がるようにして挨拶を返してきた。その驚き方が尋常ではない。居眠りでもしていたのであろうか。或いは雨中の不審者と思っていたのに近付いた顔があまりに上品なので吃驚したのだろうか。ま、それは無いか。
 
 30分ほど歩いたところで雨足が急に強くなった。ヤッケ1枚ではヤッケ石に水、数分でズボンがずぶ濡れになってしまった。ご老体が風邪をひいてはと、引き返す。5000歩足らずのウォーキングに終わったが、晴れてから府中辺りまで往復すれば12,000歩のノルマは達成できるだろう。二度寝のできない性分だから時間潰しに麹町倶楽部のHPを開いて、本郷歌会の作品を見る。私は出席していないが麹町倶楽部から大勢が参加しているせいか、ここは作品のレベルが高い。どの作品も、散文を四つ折したような某専門誌の巻頭歌などより遥かに上質である。その中からアト・ランダムに知人の作品を拾って寸評を試みる。的外れを承知の駄文も、親しさゆえの無礼とご寛恕いただきたい。

   左足
   おろそうか
   おろすまいか
   迷っている
   鷺の足元にも秋空(小杉淑子・作 敬称略、以下同じ)

【寸評】 餌の小魚を狙う鷺は、必ず片足を上げています。1~4句は、その生態を見事に活写しています。不動の鷺の足許に秋水が流れ、碧い空が映っている。正に快心の一作です。この作品を見た瞬間、なぜか波卿の次掲の句が浮かんできました。鷺ではありませんが、透徹した詩興に共通する点を感じたのでしょう。

   吹き起こる  
   秋風
   鶴を歩ましむ 

 鷺ということでは、評者に次の駄句があります。(汗)
   
   凍て鷺と思へぬ嘴の速さかな


   私の投げた問いに
   何も
   応えてはくれない
   君は
   まるでユトリロの街 (史緒・作)

【寸評】 生粋のパリジャンだったユトリロには、パリの街を描いた作品が多いですね。強度のアルコール中毒を治療するために絵を描き始めたというユトリロ。そんな先入観があるためか、彼の絵には憂愁感が漂っています。いま評者の脳裏に浮かんでいるのは、彼の晩年の作『モンマルトルの街』です。深い雪に覆われた街、枯木のように立つマロニエ。しかし暖炉の火を焚くはずの煙突から煙は出ていません。まるで死んだようなモンマルトルです。数人の人影が見えますが、なぜか全員が後ろ向きに描かれています。

 この絵に前段の想いを仮託して結句を「まるでユトリロの街」と結んだ…これは、評者の勝手な的外れの想像だったでしょうか。

   人の道を
   説く
   「論語」
   王府井の書店の
   暗がりに (川崎 浩・作)

【寸評】 『論語』では人の道を説いているのに、現実の中国は人権を無視しているではないかという批判の作品でしょうか。歌意は解りますが、もし4句以下の「王府井の書店の暗がりに」が現代中国の暗部を象徴するフレーズとして遣われたとしたら失敗でしょうね。 
 北京の王府井(ワンフーチン)には、日本を凌ぐ国営の大型書店が並び、特に王府井書店はビル全体が書店で、書籍の陳列にも工夫が凝らされています。どこにも「暗がり」といった雰囲気はありません。狙いは良かったのに比喩を間違えましたね。

   次の
   ご開帳は
   二十五年先というご本尊
   深々と頭を垂れる
   九十歳 (町田道子)

【寸評】 本尊に額ずく九十歳。次の開帳は二十五年先というから、この老人が再び本尊を拝することはあるまい…老人と作者との関係は判りませんが年齢をご存知だから、かなり親しい間柄でしょうね。深い祈りを続ける老人の姿と、それを見つめる作者の眼差しが伝わってきます。

   好きなように生きた人
   思い残すこと
   ないですね と
   見上げれば
   夜空に白く鰯雲 (酒井映子・作)

【寸評】 親しい人を弔った帰り道、遣り切れない悲しみの想いを紛らわすためには、こんな言葉しか浮かんできませんね。
 結句の「夜空に白く鰯雲」が、作者の悲しみと無常観を見事に表現していると思います。

   細った流れが
   太ぶとと
   野生を取り戻す時
   川にも快感
   あるだろう (関口有美・作)

【寸評】 細い流れが、ゆったりとした本流に合流する瞬間を「川にも快感あるだろう」と詠んた感覚は共感できますね。 しかし評者の個人的な感じでは、「野生を取り戻す時」がしっくりきません。むしろ、「野生を失うとき」のような気がするものですから…。







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by 杜の小径  at 08:02 |  日記 |  comment (6)  |   |  page top ↑

ペンライト

    知里幸恵    コピー ~ 知里幸恵文学碑

 NHK『アイヌ少女・知里幸恵の闘い』の再放送を見終わって、午前4時過ぎに家を出る。予報で寒くなるというのでセーターを着て出かけたが必要なかった。それを腰に巻いて、知里幸恵に想いを馳せながら歩く。
 
 アイヌ少女・知里幸恵は、金田一京助の勧めでアイヌの人たちが口承してきたカムイユカラ(神謡)を初めて文字化、『アイヌ神謡集』として出版した。金田一の誘いで上京したとき持病の心臓病がかなり悪化しており、同書を校了した直後に心臓麻痺で亡くなる。時に19歳。この間、自著原稿の整理だけでなく金田一へのアイヌ文化の教授などで肉体的に限界まで無理したようだ。10年後に金田一は名著『アイヌ叙事詩ユーカラの研究』を刊行する。これは幸恵の伯母・金成まつの口述を収録したものだが、幸恵の陰での協力無しには完成しなかったであろう。しかし、この本に彼女の名前は無い。脳裏を「一将巧成って万骨枯る」という言葉が過ぎる。
    (写真:左から知里幸恵最後の写真、旭川の母校に建つ知里幸恵文学碑)

              ペンライト1

 弁天橋を渡った暗がりで、いきなり名前を呼ばれる。92歳の前原さんだった。私が出発を30分早めたせいか、最近お会いする機会がなかった。今朝は早いんですねとお聞きする前に、「1時間間違えて早く起きてしまいました」と仰る。それにしても暁闇の中を無灯で歩くのは危ない。持っていたペンライトを差し上げる。再三辞退されたが無理に貰っていただいた。これは親切というより若い者の義務だ。(大切なことだから二度言いますよ)…若い者の~(やっぱり一度だけにしとく)。たいへん喜ばれて、「今度、お茶飲みましょう。
電話して…」と胸のポケットから出した名刺を渡してくださる。―お名前は前原義則さん―名刺を持たない私などより、よほど確りしている。帰途、対岸の桜並木にお爺さんが点しているらしいペンライトがちらちらするのを見て、ちょっと嬉しくなった。

 24日は半年ぶりのゴルフ。フォーサムの中に口の悪い後輩の弁護士がいるから空振りだけはしたくない。午後から練習場へ行き、7番で200球ほど打ち込む。調子は、アメリカのお母さん(まーまー)。予報では24日の茨城方面は雨。アイツの行いが悪いせいだ。

   




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by 杜の小径  at 18:02 |  日記 |  comment (10)  |   |  page top ↑

近況―野川のこと

   真姿の池    殿ヶ谷戸庭園    散歩 012

「土地の人はなぜそこが「はけ」と呼ばれるかを知らない。……  
 中央線国分寺駅と小金井駅の中間、線路から平坦な畠中の道を二丁南へ行くと、道は突然下りとなる。「野川」と呼ばれる一つの小川の流域がそこに開けているが、流れの細い割に斜面の高いのは、これがかって古い地質時代に……古代多摩川が、次第に西南に移って行った跡で、斜面はその途中作った最も古い段丘の一つだからである。……」

 いつもと違って、なかなか格調高い文章である。それもそのはず、これは大岡昇平の『武蔵野夫人』の書き出し部分である。実は二、三の方から「日記によく出てくる野川は何という川ですか」というご質問をいただいた。これは迂闊だった。遅れ馳せながら説明させていただく。野川は野を流れる川という意味ではなく、大岡昇平が『武蔵野夫人』で書いているように野川が固有名詞なのである。

 国分寺市の日立中央研究所の池が源流で、そのほか国分寺市の真姿の池付近、殿ヶ谷戸庭園、小金井市では貫井弁天の瓢箪池やその周辺、滄浪泉園、中村美術館横の泉、三鷹市では野川公園大沢の山葵田、調布市の深大寺などからの湧水が水源となっている。野川は地質学で言う国分寺崖線に沿ってほぼ東に向かって流れ、東横線の二子玉川園駅の横で多摩川に合流する。全長約21㌔。
 私のウォーキングコースは、その源流に近い地域で、新小金井街道と交わる坂下橋から東京経済大学下の暗骨橋までの地域である。コースの中央部に源流の一つ貫井神社があり、そこから流れる湧水に沿って「湧水の径」が作られている。『武蔵野夫人』では、この部分が次のように書かれている。

「水の源を訪ねて神社の奥まで進んだ。流れは崖に馬蹄形に囲まれた拝殿の裏までたどれた。そこぬは「はけ」の湧泉と同じく、草の生えた崖の黒土が敷地の平面と交わるところから、一面に水が這い出るように湧いて、拝殿の縁の下まで拡がり、両側の低い崖に沿って、自然に溝を作って流れ落ちていた。」

 私は午前4時半に家を出ていたが、最近は30分繰り上げて4時にした。街灯の点いてない所はペンライトで足許を照らしながら歩く。この時間だと殆ど人に出逢うことがない。私は山男だから行き交う人には必ず「お早うございます」と声を掛ける。都会の人にはそれが煩わしいらしく、ぷいと顔を背ける人が多い。それが嫌だから、なるべく人に逢わないようにしているのである。
 払暁のウォーキングには思わぬ余慶もある。晴れていると星空の観測ができる。今朝の月齢は十六夜くらいだろうか。やや北寄りの西空に金色の月が懸かっている。それが5時を過ぎると銀色に変わる。明けの明星(金星)は5時過ぎまで観測できる。清澄な空気に浮かぶ日の出の見事さは先日紹介した通りである。それを見届けて帰路に就く。

 週に一度くらいは上流の日立研究所近くの姿見の池、国分寺跡の御姿の池、殿ヶ谷戸庭園などを訪ねる。また下流の武蔵野公園や野川公園へも足を延ばすが、これらについては別の機会に紹介させていただく。
 
   (写真:左から野川源流の御姿の池、殿ヶ谷戸庭園、貫井神社)







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『美しいマゲローネのロマンス』

           バリトン吉江忠男1         江守徹

 マイミクシーのTokoさんの知人、バリトン歌手 吉江忠男さんが、ブラームスの連作歌曲集『美しいマゲローネのロマンス』を歌います。演奏はオーストリアの著名なピアニスト、イエルク・デームス氏。江守徹さんの日本語による朗読つきです。
 
 この歌曲はドイツのフォークロア(庶民詩)が原典です。これはゲーテの『ファウスト』と同じですが、波乱万丈のストーリーのうえに最後が なので、 どなたでも楽しめるでしょう。ぜひ、聴きに行きましょう。開催要項は下記の通りです。チケットはTokoさんが取り次いで下さいますが、お付き合いの無い方は小生がご紹介いたしますから、ご連絡下さい。

             記

日時:11月10日(月)午後7時
場所:津田ホール(千駄ヶ谷)
料金:5000円

出演者紹介
吉江忠男 (バリトン) 
 東京芸術大大学院修了後、1969年ドイツ・デットモルト音大に留学、1975年より12年間 フランクフルト市立劇場オペラ部門専属バリトン歌手。1987年に帰国。岡谷在住。現在まで内外のコンサートに参加するかたわら、岡谷地域の音楽文化振興に努める。
*日本人でありながら、とてもドイツの雰囲気を漂わせた方です。

イエルク・デームス(ピアノ)
 オーストリア出身。1928年生まれ! 14歳でウィーン学友協会コンサート・デビュー。1956年ブゾーニ国際コンクール一位 シュワルツコップ、フィッシャー=ディスカウなどとも共演。ドイツロマン派の大家として広く支持されている。

江守徹 (朗読)
  1963年 文学座の演劇研究所に所属。1964年「大麦入りのチキンスープ」の主役に抜擢され、以後、数々の演劇対策に主演。1981年には「ハムレット」を演出。その後ナレーション声優として幅広い活動を続け高い評価を受けている。

      (写真:左から吉江忠男さん、江守徹さん)







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ハゼラン(爆蘭)

爆蘭   はぜらん   イセハナビ


 詩を創ったり、ものを書いたりするときは、感性というか神経を集中するので疲れる。で、普段はなるべく神経を昼寝させてのんびりと過ごすようにしている。そうしていると、当たり前のことだが自分の生活や想念がず~と繋がっていることを実感できる。スケジュールに追われて齷齪と動いていた頃には無かったことである。

 数日前の日記で暁闇の中で艶めかしい香りを放つオシロイバナのことに触れたらミクシー仲間のきょうこたんさんから、もっと詳しくとのリクエストがあった。三日後に再びオシロイバナを取り上げ、英国ではFour o'clock(4時花)と呼ぶことを紹介した。これに対し堺市にお住まいのサマンサさんから、ハゼランを3時花と呼ぶのに似てますねとレスを戴いた。
 これを聞いて(読んで)ハッとした…などと大袈裟に書くほどのことではないが、実は吾がヴェランダは、今この花で占領されている。ハゼランは漢字だと爆蘭と書く。長い花茎に赤い小花を付けた姿が線香花火に似ているからだろうか。私はこれを長い間イセハナビという草花だと思っていた。花火からの連想だろうが、間違えているのは私だけではないらしく、いま調べたら『草花悠歩道』というブログでもハゼランをイセハナビと紹介してあった。この間違いを指摘して下さったのは、確かグリーンさんだった。この方は琵琶湖畔のお住まいで沢山の花を育てておられ、言わば植物に関する私の師匠のような存在。前回の日記でも黄色い花色のコスモスがウインターコスモスであると教えて下さった。こうしてみてくると、一つの花をめぐってさえ、人と人との様々な繋がりが浮かび上がってくる。

 ところで、このハゼランだが私には植えた覚えが無い。恐らく小鳥が運んできたのだろうが、数年前から夏になると必ず芽を出し、秋口から花が咲き始める。言わば強引に居着いた居候のようなそんざいだが、コイツ、なかなか図々しくて狭いヴェランダを我が物顔に占領する。葉の部分が盛り上がるように茂るのに、花は径3㍉くらいだから一見して地味な花である。ところが目を凝らして観察すると、なかなか可憐な風情なのである。そうさな、喩えるならばヤクザに追われて金兵衛長屋に逃げ込んだ薄幸の町娘とでも言っておこうか。居眠り剣は遣えないにしても正義の坂崎磐音としては無下に追い出すわけにはいかない。(この段、解らない方は『陽炎の辻』をご覧下され)

 駄文を綴っていたらウォーキングに出る時刻になった。未推敲のままで失礼する。今朝は92歳のおじいちゃんに逢えるだろうか。

             (写真:左からハゼラン、同アップ、イセハナビ)





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by 杜の小径  at 04:44 |  日記 |  comment (2)  |   |  page top ↑

野川―早暁の花々

日の出 携帯  073 白粉花筋


 いつも通り4時半に家を出る。外は未だ暗い。昨日、 my mixi のkさんへのレスで散歩中に見たオシロイバナの書いたら、「お散歩のとき見かけた秋の香りの漂うような写真を…」というリクエストがあった。散歩といっても小生の場合は1時間8000歩以上のハイペース、両手首に1㌔の鉛のウエイトを巻いて真っ直ぐ歩くから実のところ周りの花々を眺める余裕などは無かった。暗闇から艶めかしい香りがするので目を凝らすとオシロイバナだった。で、レスの中で「暁闇に脂粉の香りおしろい花」という速成の駄句を献じた次第。この香りから白粉花と言うのかと思ったが、kさんによると、「おしろい花の実をつぶして 粉にすると 本当におしろいの粉のようになり、おままごとの主役に… 愉しい思い出でございます」ということだった。初めて知った。

 そんなことも会って、今朝は花を眺めながらの散歩となった。夜明け前の目立つのは、やはりオシロイバナである。別名を夕化粧と呼ぶように夕方に咲く花なのである。ちなみに英語ではFour o'clock(4時花)、中国語では洗澡花(入浴花)と言う。暁闇の中では白花が目立つが、よく見るとピンク、薄紫、青、絞り柄の花まである。毎朝5時になると野川沿いにしつらえられたベンチにステッキ片手に座っているおじいさんがいる。ある朝、話しかけて友達になった。92歳になるという。このおじいさんが決まって一輪のオシロイバナを持っている。「この花、お好きなんですか?」と尋ねると、「いいや、ばあさんが好きだったで、仏様にね…」と答えた。

 この辺りの野川には、なぜかムラサキシキブが多い。それも6対4の割合で白実が多い。道側は刈り込んであるが川に向いた枝は、どれも大きな株になって見事な実を付けている。
東経大の近区、暗骨坂まで来るとヒガンバナが咲いている。と言っても一株だけ、それももう盛りを過ぎている。東京の近くでは高麗川の巾着田という所に数万株の大群落があるが、一株だけのヒガンバナも風情がある。
 
次に目立つのがコスモス。貫井神社から湧き出る水に沿った「湧水の径」には真ん中にコスモスが植えてあるが、もう盛りを過ぎた。野川沿いは今が盛りで、白、赤、ピンクの花が咲き乱れている。その隣に黄色いコスモスが咲いている。友人に聞いたら、それはユリオプスデージーだろうと言う。何でも知ったかぶりするヤツだから当てにできない。どなたかご存知だったら教えて欲しい。
ハギはこの季節の花だが、私の散歩コースには3株しかない。香りが薄く地味な花だから気付かずに通り過ぎてしまうことも多い。こういう花には惹かれる。

  国分寺崖線に源を発した野川は、真っ直ぐ東に流れて多摩川に向かう。ウォーキングが終わりに近づく5時45分、弁天橋の上に立つとピンクに染まった空の一点から真紅の太陽が顔を出す。

  (写真:左から野川の日の出、夜明けのコスモス、オシロイバナ…絞り






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by 杜の小径  at 13:10 |  日記 |  comment (2)  |   |  page top ↑

近況

慶応病院

 ごく一部の方にご心配いただきました小生の入院の件ですが…、12月に延期することになりました。発端は25日の検診で血中のカリウムが急増したことですが、カリメートを5日間飲んだ結果、数値が正常値に戻りました。昨日、看護師をしている教え子から「先生、手が黄色いよ、肝臓が悪いんじゃない?」と言われて気にしていました。そのことを主治医に話すと、「ほら、ボクの腕と同じ。血液検査でも異常はありませんよ」とのこと。それから、小生の忘れ物、落とし物頻発を理由に「認知症が始まったんじゃないの」とキツーイ一発をくださったMさん、その兆候は全く無いということでしたよ。(どうだ!)
 結論的には12月9日から予定されている定期人間ドックに合わせて、食事指導も行うということになりました。ごく一部の方々に謹んでご報告申し上げます。他事ながらご放念ください。今日は、いつになく院庭のコスモスが美しく見えました。

 実は検査の結果が心配で、昨夜は殆どねむれなかった。この男、日ごろは生死を超越したような詩を創っているが実は意外に小心者かもしれない。これからは作品に騙されないように、ご注意されたい。
 入院しなくていいと言われ、急に気分が明るくなった。Mさんにメールして、麹町倶楽部の歌会に出席する旨を伝える。休んだときは欠席歌にしてくださいと解除条件付で作品は既に送ってあった。Mさんから「よかった、よかった、ほんとうに良かった」と歌うようなお返事をいただく。Mさんは優しい人だ。

麹町歌会
 雨にもかかわらず出席者は26名。新しく黒木暁子さんが入会された。若くて聡明なお嬢さんだ。これで平均年齢がぐう~んと若返った。

【自由題】
  山に上で
  巨大な風車が
  一基
  ぐわりぐわり
  秋空を回している (一席 酒井映子)

  円錐に
  静けさ湛える
  蟻地獄
  罠というもの
  なぜか美しく (二席 村瀬杜詩夫)
  
旅の先々で
  笑顔をもらう
  もしかしたら
  私が優しくなっている
  のかもしれない (三席 山碧木 星)

【題詠/消す】
  味が染み込むまで
  どーんと
  構えて待とう
  火は消えてからが
  ホントの勝負 (一席 松尾さやか)

  わたしが
  間違えるたびに
  だんだん汚れ
  小さくなっていく
  消しゴム (二席 村瀬杜詩夫)

  音は
  消える時がいのち
  と
  あなたは静かに
  尺八を吹き始めた (三席 柳瀬丈子)
 





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