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『美しいマゲローネのロマンス』の夕べ

     バリトン吉江忠男1   イェルク・デームス   江守徹

 むかしむかし、プロヴァンス地方を支配する貴族の館に素敵な青年が居ました。名前はペーター。ブロンドの髪に碧い瞳、剣を執れば剛勇無双、若い娘たちは彼の姿を眺めては切ない溜息をつくばかりです。ある日、ペーターは吟遊詩人の勧めに従い、供も連れずに独り旅に出ます。母は、あなたが最も愛する人に巡り会ったとき、これを渡しなさいと家宝の指輪を渡しました。愛馬の蹄の音が青年の希望に満ちた旅立ちを祝福するように、プロヴァンスの碧空に快く響きます……
 
 江守徹の抑えの利いた朗読によって15章に分けられた物語が展開する。1章の朗読が終わるとイェルク・デームスの流麗なピアノに乗って吉江忠男のバリトンが、静まりかえった津田h-ルに響く。

 ペーターはナポリ王国での騎士の試合に優勝するが、その凛々しい姿に一目惚れした王女マゲローネとの間に激しい恋に落ち、指輪を彼女に渡す。しかし王は身分を明かさないペーターとの交際を許さない。二人は遂に駆け落ちを決意する。旅に疲れた二人が海岸の丘で仮眠している隙に、大切な指輪を鴉に奪われてしまう。ペーターは眠っているマゲローネをそのままにして鴉を追いかける。海上の岩に鴉を追い詰めたペーターはボロ船で鴉に近付くが、折りしも押し寄せる大波に舟が転覆して海に投げ出される。
 目覚めたマゲローネは彼の居ないのに気付くが、いくら待っても帰ってこない。
必死でペーターを探し回る王女。何日か経って疲れ果てた彼女の目に、粗末な小屋が留まる。マルゲローネは小屋の老夫婦に救われ、そこで暮らし始める。
 一方、遭難したペーターは海賊船に助けられるが、異教徒の王に奴隷として売られる。王女を忘れられないペーターは、ある夜必死で逃げ出し、数々の苦難の末に一軒の小屋を見下ろす丘に辿り着く。小屋の前から聞き覚えのある歌声が聞こえてくる。それは紛れも泣く、愛するマルゲローネの声であった。

 歌曲は全てドイツ語で歌われるから、解るのは人の名前とモルゲンとメッチェンくらいで他はまるで解らない。それが幸いした。江守の朗読で物語の展開が解るから、あとはデームスのピアノと吉江の歌声だけに神経を集中させていればいい。まことに快適なリサイタルであった。今夜は長唄・東声会に招待して下さる友人夫妻を返礼のためにご招待したのだが、お二人ともたいへん喜んで下さった。

帰途、新宿・柿傳で晩い夕食。一日遅れだがライオンズの優勝に乾杯!

*出演者の紹介は、先月29日のブログに掲載してあります。
*会場は撮影禁止ですので、写真は全て参考写真です。


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by 杜の小径  at 01:05 |  日記 |  comment (4)  |   |  page top ↑
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