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長唄 女子東音会へ

               長唄   本多貞子
 
 女流長唄界の第一人者、本多貞子さんの『養老』を聴くために、浅草公会堂で開かれた長唄女子東音会へ。これは孝子伝説を主題にした能『養老』を長唄化したもの。女性には発声が無理と言われ、ここ数十年女性が上演したことが無いという難曲である。
 開園前に楽屋へお伺いする。お弟子さんに囲まれた本多さんは、いちばん小柄で、雰囲気が京舞の人間国宝、四世井上八千代に似ておられる。それが一旦舞台に上がると一際抜きんでて堂々と見える。声量も、とても古希を超えた方とは思えない。芸の力とは恐ろしい。本田貞子さんの出演は、この一幕だけ。これに先立って上演された演目は以下の通り。
○『竹生島』…文久2年、中村座初演。龍神と弁才天が人間の姿で女人禁制の竹生島を訪れ咎められる様子と、二神が本来の姿に戻って功徳を施す経緯を長唄化したもの。
○『汐汲』…文化8年初演。能の『松風』を長唄化したもので、須磨の浦で汐を汲む娘を主題にした舞踊曲。歌舞伎で女形が演じることが多い。
○『五條橋』…明治36年初演。能の『橋弁慶』を長唄化したもので、これも舞踊曲。牛若丸と弁慶の戦いが主題で、三味線の聞かせどころ。一番三味の瀬川靖代の早弾きが圧巻。
○『鷺娘』…宝暦12年市村座で初演。これも、お馴染みの舞踊曲。雪の夜の白鷺の精をテーマにした舞踊曲。笙、小鼓、大鼓、太鼓、を交えた三味線の合奏が古風な味わいを出していた。
○『秋色種』…弘化2年初演の古い曲。江戸麻布界隈の秋の景色を上調子の三味線のリードで赴き深く演奏された。上調子の鈴木八重子が出色であった。
○『まかしょ』…文政3年初演。江戸で、寒参りを代行する願人坊主が、吉原の様子などを投げ節などの俗謡を交えて唄う。題名は「まかしょ、まかしょ」と叫びながら鈴を振って町を歩く声から…。コミカルな演奏ぶりが絶品。
○『髭櫓』…昭和34年初演。都をどりのために吉井勇が歌詞を書いたもの。髭自慢の男が宮中の大嘗祭の鉾役を仰せつかる。ところが衣装代は自分持ちというので女房が大反対。挙句の果ては町内の女房連を味方にして亭主の髭を切ろうとする。亭主は髭を守る櫓を作って対抗すると言う荒唐無稽の筋書き。総勢数十名の出演者がずらりと舞台一杯に並ぶ壮観さが見もの。

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