FC2ブログ
 

「本日天気晴朗なれども浪高し」

           230px-MIKASAPAINTING.jpg

 昨日今日、朝鮮半島から日本にかけての一帯は高気圧に包まれ晴朗な好天であったが、北朝鮮の原爆実験に続く短距離ロケットの発射で、国際情勢は俄かに風雲急を告げている。将に「本日天気晴朗なれども浪高し」である。日本議会は満場一致で北朝鮮非難の決議を行った。その直前、自民党では防衛族の議員から、この際、北朝鮮の核基地を攻撃できる態勢を整えるべきだという威勢のよい発言がなされた。北朝鮮の挑発的行為を封じ込めるために、日本が国際世論に同調して非難決議をすることは結構だが、この機に便乗して徒にナショナリズムを煽り、再軍備へと舵を着る切ることはもっと危険ではないだろうか。

 今日が5月27日であることに、歴史の因縁のようなものを感じる。104年前の今日5月27日、連合艦隊司令長官東郷平八郎から大本営へ短い電報が入った。―「敵艦見ゆとの警報に接し連合艦隊は直ちに出動、之を撃滅せんとす。本日天気晴朗なれども浪高し」 ―これによって日本の連合艦隊とロシアのバルチック艦隊との間で日本海海戦の火蓋が切られた。歴史に残るこの電文を起草したのは、司馬遼太郎の『坂の上の雲』の主人公で連合艦隊の参謀だった秋山真之であった。

 対馬海峡を縦隊で東進してくるバルチック艦隊に遭遇した連合艦隊は、とつぜん艦隊を横に転回させた。世に言う東郷ターンである。このT字形戦法は前進してくる敵の先頭艦に砲火を集中できるメリットはあるが、敵前に両手を広げて立つようなデメリットもある危険な戦法だった。結果的にはこれが成功して、日本の連合艦隊は大勝利を得る。
 同年12月20日、戦時編成だった連合艦隊は解散した。その際、前記秋山真之が作成し、東郷提督が読み上げた「連合艦隊解散の辞」は、次の言葉で締めくくられていた。「…神明はただ平素の鍛錬につとめ戦はずして既に勝てる者に勝利の栄冠を授くると同時に、一勝に満足して治平に安ずる者より直ちにこれを奪ふ。古人日く、勝って兜の緒を締めよ、と。」
 これに感動した米大統領ローズヴェルトは全文を翻訳してアメリカ陸海軍に配布している。36年後、日本海軍が今度はアメリカと戦い、敗れ去ったのは歴史の皮肉だろうか。
 連合艦隊の旗艦だった三笠は、その後記念艦となり、現在も横須賀にその雄姿をとどめている。
    
          (写真:海戦中の三笠。東郷の右側に立つのが秋山参謀)
スポンサーサイト








※ スパム対策の為、暫くの間コメントは承認制にさせていただいております。
  コメントを頂いてから表示までにお時間をいただく場合がございますが、
  何卒ご理解くださいますよう、お願い致します。(管理人)

by 杜の小径  at 23:05 |  日記 |  comment (6)  |   |  page top ↑
プロフィール

杜の小径

Author:杜の小径

杜のMENU
最近の記事
最近のコメント
月別アーカイブ
カテゴリー
カウンター