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第118回麹町倶楽部歌会

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 今年最後の歌会が麹町区民会館で開かれる。歳末で慌しい都心に在っても、この一角だけはいつも静かだ。この一帯は“幻の文人村”と呼ばれる。嘗ては藤田嗣治、島崎藤村、泉鏡花、有島武郎、有島生馬、里見、菊池寛、武田鱗太郎、与謝野晶子・寛夫妻などが住んでいた。今はその住まいは無い。だから幻なのである。それに代わってアイスランド、イスラエル、ポルトガル、ベルギーなどの大使館が並ぶ。
 こうした静謐な環境で開かれる麹町歌会だが、内容は熱い。特に今回は忘年歌会ということもあって大広間を使用。歌会はいつも通り柳瀬丈子さんの朗読で始まる。毎回プロの朗読が聴けるのは麹町ばらではのことである。最後は新会員、平井敬人君がギター片手に熱唱して掉尾を飾ってくれた。成績は以下の通り。

【自由詠】

   運転手が
   母さんに呼ばれ
   電車が
   縄にもどる
   原っぱの夕暮(一席 村瀬杜詩夫)

    ぼうっと
    したい時
    肩の力を
    抜きたい時
    いいね、裏山って(二席 浜畑祐子)

    無口な人と
    歩けば
    冬木立
    陽を透かし
    風を通して軽やか(三席 酒井映子)

    よく見れば
    可愛い顔の青虫に
    仏心を出したため
    今年の柚子は
    全滅だった(次点 範子)

【題詠/踊る】
 
   朝焼けに
   昨日
   の
   くせ毛
   踊ってる(一席 小杉淑子)

   「踊っていただけますか」
   と
   ちょっと洒落た服を着て
   言ってみよう
   来年は(同点二席 赤井 登)

   ラジオから
   ナットキングコールの歌声
   ガス台の前では私が
   フライパンの中では野菜たちが
   心地よく踊る夕べ(同点二席 範子)

   オイルに
   モロコシに
   踊らされてしまったんだ
   世界中が
   宙で舞ってる(同点二席 町田道子)

   念願の田舎暮らし
   還暦夫婦に
   笑いが絶えないよ と
   手紙の文字が
   踊っている(三席 酒井映子)

   踊り子の
   項かすめる
   秋茜
   風の盆が終わると
   越中は秋(次点 村瀬杜詩夫)


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by 杜の小径  at 00:21 |  日記 |  comment (4)  |   |  page top ↑
Comments

No title

 一席、おめでとうございます。電車ごっこの終わったのを
「電車が縄にもどる」と表現されたところが素晴らしいです。

 皆さんの歌もレベルが高くて、私もこんな歌会で勉強でき
たらと、羨ましく思いました。
by 塩澤千佳子 2008/12/17 02:43  URL [ 編集 ]

No title

一席おめでとうございます
郷愁たっぷりで、とても素敵で大好きになった歌でした。
今年は大変お世話になりました。
また来年もよろしくお願い致します。
by としこ 2008/12/17 10:10  URL [ 編集 ]

No title

 千佳子さん、早速のコメントを有難う、

 私が言うのもおかしいが、麹町倶楽部は数ある歌会の中でも
極めてレベルの高いものの一つだと思いますよ。
 地方から出て来るのはたいへんでしょうが、機会があれば、
一度見学にいらっしゃいませんか。勉強になりますよ。 
by 杜詩夫 2008/12/17 12:12  URL [ 編集 ]

No title

 としこさん、題詠の一席おめでとうございます。
 
 あなたは五行歌人の中で本物の詩人の一人です。
これからも麹町倶楽部、いや、五行歌界の星として、
素晴らしい作品を作り続けて下さい。
by 杜詩夫 2008/12/17 12:18  URL [ 編集 ]
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