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ある同級会

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 月曜から、また旅に出る。(股旅ではない again の意味である)今度の旅の目的は浜名湖々畔で開かれる同級会に出席するため。と言っても、そんじょそこらの同級会ではない。之繞付き、曰く付き、なにしろ小学校3年以来の同級会である。
 私の生れ故郷は長野県境に近い静岡県の佐久間だが小学3年生の途中から愛知県へ転校しているので、佐久間小学校の同級会へは一度も出席したことがない。ところが、先日とつぜん同級会の通知が送られてきた。追い掛けるように教え子のK子から電話があり、「驚いたでショウ、わたしが住所を教えたんだがネ」と言う。語尾のショウが尻上がりなのは長く名古屋に住んでいるからだ。大学受験に失敗した私は、たった1年だけ田舎の小学校で代用教員をしたことがある。K子はそのときの教え子で、ご主人とも親戚のように親しくしている。先日も鮎が食べたいと言ったら、小型冷蔵庫ほどもあるクーラーボックスに大量の鮎、ウルカ、鹿刺しなどを入れて送ってくれたばかりだ。このK子の姉が佐久間に嫁いでいて、実は送られてきた鮎も旦那が其処で釣ってきたものだという。
 ある日、K子が姉さんと昔話をしている中で私の名前が出た。すると脇にいた姉さんの旦那が、「村瀬先生って幾つぐらいかね」と聞いた。「私より十歳上よ」とK子が答えると、じゃあ転校した村瀬クンかもしれないということになり、話を進めると全てが符合した。なんと、K子の姉さんのご主人が私の同級生だったのである。…これが、とつぜん同級会の通知が届いた経緯である。

 それにしても、私のことを覚えているのだろうかと不安がよぎる。思案の末に、思い切って「通知」に名前の出ている幹事のHさんに電話をしてみた。
「ぼくのこと、覚えていますか」
「覚えているがネ、頭のいい子だったで」(ホントに、そう言ったのだ)
「Hさんって、下平だっけかネェ」(こっちも佐久間弁になる)
「違う、違う。わしんチは駅前だわいネ」
「あゝ、籠屋の…?」
「違うわいネ、鍛冶屋だがネ」
「あっ、鍛冶屋のアッちゃんかネ」
「そうだ、そうだ。待っとるでネ、きっと来ておくれんョ」
 たちまち、イガクリ頭のガキ大将の面影が浮かんできて、私の不安は消し飛んだ。

 このところ旅が続いて床屋に行っていない。ちらりと副級長だった色白で八千草薫に似たS子の面影が浮かんだ。(当時、八千草薫なんて居なかったちゅうの)―とにかく髪だけはさっぱりしておこうと、行きつけの床屋へ予約を入れる。ホテルには夕方までに着けばいいから、出がけに立ち寄っていこう。ところが…、明日は休みです。と言う。また、ちらりとS子の顔が浮かんだ。「じゃあ、今から行くよ。やってくれる?」「6時までにいらっしゃれば何とかします」…。

 床屋を出たら、とっぷりと暮れていた。家を出るとき珍しく暖かだったのでコートで来たのが失敗だった。寒い。大事を控えて(大袈裟だ)風邪でも引いてはと四谷左門町の「G」へ寄る。熱燗を頼むと、マスターが「おめかしで、おデートですか」(デートに、おを付けるな!)「ウン、明日はウン十年ぶりに初恋の人と、おデートだ」―癪に障るからコッチもおを付けたらマスターのヤロー、「まさか!」と言や~がった。ドドっと傷ついたけど、今夜は怒らない。と、いうわけで、また(股に非ず)しばらく留守にします。

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by 杜の小径  at 04:57 |  日記 |  comment (2)  |   |  page top ↑
Comments

No title

クラス会の前夜は、多分、眠れなかったことでしょう。
楽しかったひと時、お帰りになりましたら、たっぷりとお聞かせ下さい。
ご苦労様、お疲れ様、


by  か子 2009/03/18 22:00  URL [ 編集 ]

No title

 か子さん、こんばんは。今日、短い旅から戻りました。

 お義兄さんには、いろいろお世話になりました。明け方まで楽しく語り合いました。来年の三月に今度は湯谷温泉で会うことになりました。詳しくは後でご報告します。
by 杜詩夫 2009/03/20 01:34  URL [ 編集 ]
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