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白馬紀行―花と野鳥を尋ねて

           白馬三山

 この季節に中央線に乗ると、車窓から春の移ろいを観ることができる。東京を出るとき散り始めていた桜は諏訪辺りでは満開。塩尻峠をトンネルで抜けると、未だ五分咲きの桜が目立つ。左手に青木湖が見えるようになると、線路脇には残雪が堆く、桜は蕾のままである。
白馬駅に降り立つと、青空にくっきりと白馬、杓子、鑓ヶ岳の白馬三山が浮かんでいる。そこから眩いほどの陽光が降り注いでいるのに、襟元を過ぎる風は刃物を当てられたように冷たい。

「いらっしゃい。お疲れさまでした」
 今回の旅のベースキャンプとなる「夢の山小屋 にほめの一歩」のご主人渡辺浩平さんが車で出迎えていて下さった。彼は白馬岳直下の落倉高原でロッジを経営する傍ら、毎月季節に合わせた自然観察会を催し、自らガイドを努めている。「夢の山小屋」というのは彼が自分で付けたキャッチフレーズで、実際は個室に浴槽、トイレを備えた立派なペンションである。
 車が高原地帯にかかったところでアトリの大群に出逢う。車窓からレンズを向けると、「小屋に着けば焼き鳥ができるくらいいるよ」と、相変わらず口が悪い。久しぶりの訪問だがマンサクとダンコウバイが咲く門や、ハンノキ、ヤチダモ、シラカバ、カラマツなどに囲まれた佇まいは以前と少しも変わっていない。
 二階の個室に荷物を下ろしてから一階のリビングでマスター自慢のコーヒーをいただく。彼は此処でロッジを拓くまで自由が丘で喫茶店をやっていたのでコーヒーの味は一流。

 林に面したロッジの窓は総ガラスになっていて、裏庭に接した湿原が一望できる。ミズバショウ、リュウキンカが咲いていて、野鳥の囀りが絶え間なく聞こえてくる。夕飯までの数時間に窓から観察できた野鳥は十種類近かった。
 各室に浴槽が、地下には男女別の大浴場もあるが、せっかく温泉のメッカにきたのだから、できれば温泉へ行きたい。ところで同宿者は東京の野鳥の会の皆さん12名。その中のSさんはスキーと自然観察が趣味で大型のキャンピングカーで奥さんと共に全国を回っておられる。今回も車で来られたので、滞在中は自ら運転して倉下の湯とか白馬温泉へ連れていって下さる。姫川に注ぐ松川のせせらぎを聞きながらの露天風呂は、旅の疲れを癒してくれる。

         (写真は白馬三山。左から鑓ヶ岳・杓子岳・白馬岳)
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by 杜の小径  at 04:44 |  日記 |  comment (0)  |   |  page top ↑
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