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姫川源流へ

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ポォーポォーというフクロウの鳴き声で目が覚めた。窓の外は未だ暗い。渡辺さんの話ではロッジに隣接する湿原林の奥にフクロウが棲んでいるということだ。もう一度寝ようとするがお腹が空いて眠れない。このところ一日三度の食事を一種の義務感で摂っていたが、久しぶりの空腹感である。1日7,8㌔のトレッキングのせいだろう。気持ちがいい。
 1時間ほどしてから1階のリビングルームに下りてみる。暁暗の中で動くものがいる。シラカバの幹に金網で縛りつけた脂身にアオゲラがしがみ付いている。見ると直ぐ横の雪折れしたシラカバにもアオゲラが止まっている。前に来たのが食べ終わるのを待っているらしい。なかなかお行儀がいい。突然、樹林の梢を黒い影が走った。目を凝らすとリス。給餌台近くの木につかまったまま暫くじっとしていたが、人の気配を感じたのか再び梢を伝って何処かへ消えた。

 今日は車で姫川源流へ向かう。車がカラマツの林に入ったとき茶色の影が樹間を横切る。はじめはネコかと思ったが、一瞬立ち止まって振り返った姿はキツネだった。渡辺さんによるとキツネなどは珍しいことではなく、昨冬は親と逸れたカモシカの仔がロッジに迷い込んで来たという。そういえば途中に「熊が出ます。注意して下さい」という看板も出ていた。

 優しい名前に反して姫川は暴れ川だ。随所に大規模な崩落の痕が見られる。旧千国街道の面影を残す北小谷やダムサイトに車を停めて、ミヤマキケマン、アズマイチゲ、フユノハナワラビ、イワハタザオ、ホソバサイシンなどのほか、漸く綻び始めたエドヒガンザクラ、オクチョウジザクラなどを観察する。

 姫川源流域に入ると目に付くのはフクジュソウの群落。30年前に訪れたときは初夏で、腰まで伸びたフクジュソウを掻き分けるようにして源流に近づいたが、現在は木道が整備されて、軽装の女性がスケッチブックを広げていた。こんな処にも時代の変化は著しい。水源は一面に茂ったバイカモの間から清冽な清水が滾々と湧き出ていた。あの暴れ川の源流がこれかと、ちょっと不思議な感慨に襲われる。水源一帯に帰化植物のクレソンが茂っていたのが些か興醒めだったが…、30年前には無かった光景だ。
 隣接する親海(およみ)湿原にも木道とチップを敷いた遊歩道が設えられ歩き易くなっていた。ミズバショウ、ザゼンソウのほかにミツガシワの新芽が湿原を埋めていた。これが白い花を付ける6月ころ、もう一度訪れてみたい。

 夕方ロッジに戻ると、給餌台の陰からテンが顔を出していた。今日の温泉はSさんが白馬大雪渓直下の「おびなたの湯」へ案内して下さった。木流川に沿った湯は10㍍ほどの岩盤から源泉が流れ落ち、脱衣場の横が直ぐ露天風呂で白馬連峰の残雪を眺めながらの入浴は最高の気分だった。

              (写真:左からアオゲラ、リス、キツネ)



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by 杜の小径  at 05:03 |  日記 |  comment (0)  |   |  page top ↑
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