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花野遍路

サルスベリ フヨウ シュウメイギク

    花野にも
    沖あり
    さびしいときは
    その
    沖を目指す

     (写真;左から裏庭の白花サウスベリ、フヨウ、シュウメイギク)
 
 このところ、東京に居るかぎり早朝のウォーキングが日課となっている。この季節だと4時過ぎに裏庭に下りて、軽いストレッチ運動をしてから歩き出す。前夜に用事があったときは一睡もしないで歩くが、1週間単位で調節して1日5時間の睡眠は取るようにしている。
 実は20年ほどむかし、筑波大の古藤高良名誉教授にお願いして、私の社から『「歩く」と「痩せる」』という本を出版したことがある。古藤さんは(社)日本タートル協会会長を兼ねており、この本がウォーキング・ブームに火を点けることになった。ところが今になってみると、本の内容が思い出せない。したがって私のウォーキングは全て我流、まさいに「紺屋の白袴」である。

 これがご縁で古藤教授とは、もう1点『行歩曼荼羅』という本を出した。『ギョウブマンダラ』と読む。行歩は古藤さんの造語である。本のタイトルとしてはポピュライテイーが無いと反対したが、教授の達ての希望でそのまま遣った。ランニングしていて或る段階に達すると一種の恍惚状態になることがある。これをランニング-ハイというが、ウォーキングの場合も肉体的、心理的に、それに近い状態になるという。殊に徒歩での遍路では悟りの境地に達したような状態になるという。最近の遍路はバスや自動車を使うツアーがおおいが、古藤さんはこの不思議な体験をするためにも、徒歩巡礼をと薦めている。「行歩」にはそうした想いが籠められていた。
 実はこの本は実質的には私との共著で、フィジオロジーの部分は古藤教授がゼミの学生を引き連れて四国八十八ヶ所の霊場1,400kmを実際に踏破して書かれた。私は各寺の由緒とか付近の様子を担当したのだが、正直に言うと全行程を車で回って書き上げた。したがって貴重なウォーキング-ハイは一度も味わうことがなかった。
 あれから15年、いま私は花野遍路に余念がない。遍路は春の季語だが、花野遍路とすればこの季節にも遣える。花野は春の野ではなく、秋草の咲き乱れる野をいう。
 裏庭に立って先ず目につくのがサルスベリ。赤花と白花と2本あるが、暁暗の中ではやはり白花が美しい。根元にはフヨウとシュウメイギク。どちらも花弁の質感がいい。

ヒメガマ ジュズダマ オミナエシ
オシロイバナ オオマツヨイグサ ソバ

 万葉集には春の花は早春の梅は例外として、「若菜摘む」歌はあっても野の花を詠った作品は少ない。秋には朝顔(桔梗)、萩、葛、尾花(芒)など花を愛でる歌が多い。そういえば春の七草は食べられるものばかりだが、秋の七草は鑑賞ようである。秋の野を花野と呼ぶのも宜(むべ)なるかなである。そう思って路傍を眺めると、いままで見過ごしていた花々に自ずと気持ちが寄り添っていく。
 5時を回ると、東の国分寺段丘の稜線に朝日が顔を出す。野川は西北西から東南東向かって流れているので、川に沿って下ると朝日を真っ向から受けて眩しい。堤を下りて狭い河川敷を歩く。上道を歩いているときは気付かなかったが、ヒメガマの穂が美しい。ジュズダマも射干色(ぬばたまいろ)に変わりつつある。オミナエシの黄色い絨毯の間に、オシロイバナが…。背の高いオオマツヨイグサ(月見草)の陰には、誰かが種を蒔いたのだろかソバの白い花が咲いている。

(写真;左上からヒメガマ、ジュズダマ、オミナエシ、オシロイバナ、オオマツヨイグサ、ソバ)






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by 杜の小径  at 23:55 |  日記 |  comment (4)  |   |  page top ↑
Comments

No title

 懐かしい、ジュズダマの写真、有難うございます。中でも、黒いジュズダマでネックレスを作って遊んだ幼き日の思い出が、蘇ってきました。この辺は、ジュズダマは見当たりませんもの。

ギャラりー見てください。
お体ご自愛下さい。



by か子 2009/08/21 22:44  URL [ 編集 ]

No title

今晩は。今朝は4時に起きて歩き、二日続けてK大に行ったので疲れてしまった。宵の口から寝てしまい、いま啓之君からの電話で起こされた。

 ジュズダマは懐かしいね。姉などはあれを真黒にするため白粉の空缶に入れていたように覚えているんだが違うかなかなぁ。

 作品、拝見しました。詳しくはメールで。
by 杜詩夫 2009/08/21 23:10  URL [ 編集 ]

No title

 ご無沙汰しておりました。お元気でしょうか?家でインターネットが見られなくなってしまったのと、いそがしくて心を亡くした状態でした。それに悪いことに携帯が心当たりなくいきなり故障して中のデータがすべて消えてしまったのです(涙)。恐れ入りますが、時間のあるときにメールを頂けると嬉しいです。アドレスもすべて消えてしまったので。
 久しぶりにお邪魔して花の写真に心惹かれました。今年の夏ははっきりしない夏でしたが、私はバテずに済みそうです。お米の出来が心配でもありますが・・・。まとまりがありませんが、このへんで。
by ユナ 2009/08/30 11:49  URL [ 編集 ]

No title

 暫くでした。どうしていらっしゃるかと気に掛っていましたが、
お元気とのことにて ほっとしました。小生もPCが故障したため
新しくノートパソコンに替えましたが、アドレス帳のバックアップに
失敗して苦労しています。
 いまPCからメールしましたが、届きましたでしょうか。
by 杜詩夫 2009/08/30 12:55  URL [ 編集 ]
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