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”待ち人”来たる

        コサギ    ジョウビタキ

 午前3時40分に家を出る。先月から出発を30分早めたところ、人目を気にせずに歩けるのが気に入って、毎朝ほぼ同じ時刻にスタートしている。昨日はこの冬いちばんの寒さで、途中で冬山用のヤッケに着替えに戻ったが、今朝はそれほどではない。風の無いのが何よりだ。
 天頂近くに月が懸かっている。昨日は寒冷前線の残した雲が散見したが、今朝は濃紺の空に雲の影は見えない。月齢は十六夜ほどだろうか、金色に輝くラグビーボールのような月が見事だ。
 未だ皮膚が寒さに慣れていないせいか、指先が冷たい。時どきランニングを交えて、体を温める。先月からウォーキングを2時間に延長したのは南アルプス行に備えてのことだが、左膝の痛みもあまり感じない。これなら大丈夫のようだ。
 
野川に沿ったプロムナードにはほゝ30㍍置きに街路灯が点いていて、この時刻に歩いても不自由はない。上流の鞍尾根橋から下流の新小金井橋まで、1周約30分の周回路を毎朝のスタンダード・コースとしている。上流に向かうときは、月を見ながら歩く。1周終わる毎に僅かずつ月の位置が下がってくる。5時を回ると東の稜線が薄らと白くなり、更に30分もすると、そこが次第に小麦色に輝き始める。そのころになると、ぼつぼつジョガーが姿を見せ始める。
 コースの区間には20羽ほどのカルガモが棲み付いていて、夜目が利くのか暗いうちから大きな羽音が聞こえてくる。今朝は、貫井神社の湧水が落ち込む辺りにコサギが佇んでいた。この鳥は冬季はフィリピンなどへ渡ることが多く、この時季に観ることは珍しい。羽を傷めたのか、それとも暖冬のせいだろうか。2日ほど前には、セグロセキレイも目撃した。
 
 6時を過ぎたので、いつも通り貫井神社へ向かう。ここの清冽な湧水で口を漱いでから参拝するのが、日課になっている。石段を上りかけたとき、ヒッヒッ、カッカッという特徴のある鳴き声が耳に入った。その声が火打ち石を打つ合わす音に似ているところから「火焚き鳥」と呼ばれた鳥―そう、ジョウビタキ(尉鶲)の声だ。この鳥は、人間をあまり怖がらない。声の方へそっと近づく。居た! 湧水池畔に立つ木の枝に、あの愛くるしい横顔を見せて留まっている。白い斑のある翼、銀色に輝く頭、胸から腹にかけての鮮やかなオエンジ色。まぎれもなくジョウビタキの♂だ。この鳥は、野鳥の中でも私がいちばん好きなヤツ。スズメより小さな体なのに、中国・サハリンなどから何千㌔も海を越えて渡って来る。そう思って見ると、くりっとした愛らしい目に一種の威厳さえ感じる。実は17日からの南アルプス行も、標高1300㍍辺りでジョウビタキを観察するのが目的の一つだった。まさに“待ち人来たる”の想いである。未だ昂奮が鎮まらない。

             (写真は左から、コサギとジョウビタキの♂)
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by 杜の小径  at 09:31 |  日記 |  comment (0)  |   |  page top ↑
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