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麹町倶楽部第129回例会

                  王朝女性

 あまり自慢できる話ではないが、先日の山行で今度は右足を傷めてしまった。帰京以来、
早朝のウォーキングも中止している。天気も悪そうなので麹町例会への出席を最後まで決めかねていた。ところが福岡から『南の風』の高原伸夫さんが出席されるというので、急遽出席することにして有り合わせに材料で酒の肴を用意して駆け付ける。そんな訳だから、作品も拙速の一夜作り。久し振りに『ハマ風』の岡本まさ子さんも来られ、牛乳焼酎の乾杯で始まる、いつもながら賑やかな歌会となった。入選作品は以下の通り。(敬称略)

【自由詠】
   折鶴となって
   翔び去ったのか
   紙よりも白く
   綿より軽い
   きみの骨を拾う(一席:村瀬杜詩夫)

   朝
   熱いご飯を
   生卵でかきこむ
   忙しくないのに
   忙しい気になる8(二席:赤井 登)

   無為に
   浮かんでいるように
   縁側の光の中に
   まあるく座っていた
   祖母よ(三席:柳瀬丈子)

【題詠/装う】
   疲れたときは
   元気を装うことなどせず
   ふたり
   ぼーっと
   雲など見ていたいね(一席:酒井映子)

   顔のあたりに
   淡いピンクの
   華やぎを添え
   老い行く先を
   装いたい(二席:稲泉幸子)

   デンと座った
   月の威厳に負けて
   装飾過剰の
   イルミネーションは
   チマチマと光る(同二席:範子)
 
   寂しいだろうとか
   思われたくなくて
   無理無理
   元気を装っていた な
   子供の頃(三席:町田道子)

   無関心を
   装ってみても
   君の薔薇色の頬は
   嘘が
   つけない(同三席:史緒)

   装っても
   埋めきれぬ
   心の洞   
   黒髪憂しと
   女が啾く(選外:村瀬杜詩夫) 

 図らずも自由詠一席を戴いた拙作は、先月先に逝ってしまった畏友 田中鐡男君へのレクイエム。題詠作品は、万葉集を彩る美貌の歌人 額田王(ぬかたのおおきみ)をイメージした実験的な創作詩。
・茜指す紫野行き標野行き野守は見ずや君が袖振る(巻1・20・額田王)
・紫の匂へる妹を憎くあらば人妻ゆゑに我恋ひめやも(巻1・21・大海人皇子)
 万葉集に併載されたこの相問歌は、万葉ロマンとして多くの人の想像を掻き立ててきた。実は二人は夫婦である。それが話題となるのは額田王は大海人皇子(天武天皇)の兄である中大兄皇子(天智天皇)の愛人でもあった。そういう関係をしった上で上掲の歌を読むと下世話に謂う「焼けぼっ杭に火が点いた」という両人の複雑な心境が窺われる。
 作中の「黒髪」は、多情な女性の業(ごう)をシンボライズしたつもりだたが…。

               (写真は額田王のイメージ)
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by 杜の小径  at 09:37 |  日記 |  comment (0)  |   |  page top ↑
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