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by 杜の小径  at --:-- |  スポンサー広告 |   |   |  page top ↑

わたしの好きな詩―麹町倶楽部例会より

               
 例会作品の中から、心に残ったものを挙げてみる。これは五選による入賞の有無とは関係ない。また、銓衡時間の短いことから例会の席では見落とした作品も含まれている。(順不同・敬称略)*勝手な短評は村瀬杜詩夫。

【自由詠】
   水蒸気飽和状態
   指動かせば
   水滴つきそう
   この息吐けば
   雨になりそう(渡邊加代子)

【評】一見すると湿度の高い雨季の様子を詠っているようにみえる。が、私には今にも泣き出しそうな、叫び出しそうな、辛うじて平衡状態を保っている作者のぎりぎりの気持ちが迫ってくる。訥々としたリズムも孤愁感を表出していて秀抜。      

   取り巻き組から
   白い目で見られれば
   胸に掲げた
   「反」の勲章
   いよよ輝く(酒井映子)

【評】地味な語り口なので、迂闊にも歌会の席では見落としてしまった。反権力、反体制の生涯を貫いてきた(つもりの)拙者としては取り上げないわけにはいかない。派閥のボスに阿る政治家などは未だ可愛い方で、文学結社に溢れる曲学阿世の徒には反吐が出そうだ。こんな汚い言葉を遣わないで、淡々と想いを叙した口調に好感。殊に「胸に掲げた…」以下の後半がいい。なお結句の「いよよ」は原詩では「愈々」と漢字で表記されていた。

   何万もの足が漕ぐ
   アンモナイト
   貝の船団
   うねりとなって
   天 駆け上がる(水野ぷりん)

【評】恐竜さえも未だ生まれぬ4億年前、マグマの熱冷めやらぬ大洋をアンモナイトの船団が行く。こいつはオウムカイの祖先だが直径約2㍍、畳1畳半くらいもある。船団が目指すのは海面ではない。碧い飛沫を残して「天 駆け上がる」。まさに貝なり、いや快なりだ。これぞサイケデリック・アートの極致。水野画伯どの、ぜひ絵でも表現してくだされ。

   目の端に
   流れ星の
   残像
   遠野の夜を
   立ち尽くしている(柳瀬丈子)

【評】なんと美しいコンポジション。タバコのヤニで汚れた吾輩の胸ですら、思わずキューンとなる。だがお立会い、「立ち尽くす」のは人間ではない。遠野は民話の里であると同時にカッパの本籍地でもある。孤影落莫と流れ星を眺めているのは、河童なのだ。そう信じて、もう一度この作品を読み返していただきたい。更なる感動が胸をよぎる。奇しくも明日は河童忌(芥川龍之介の命日)、しばしカッパの世界へ想いを馳せられよ。

【題詠/新人】の部
 
 はっきり言って兼題が適切でなかった。「新人」の内包域が限定されるので、似たような作品が多くて面白くなかった。その中で、ピカリと光る2篇を…。
   
   新人は
   うな垂れ
   ベテランは
   天を仰ぐ
   同じ失敗をしても(町田道子)

【評】ぷりん画伯の奇想天外もいいが、こうした控え目な作品も心に残る。ケレン味の無い語り口が、じんわりとした感動を呼ぶ。「うな垂れ」と「天を仰ぐ」の対比に、作者の人間観察の鋭さが窺える。
   
   新人君は
   オノマトペ
   ピカピカ語を話し
   名刺を受け取ると
   キラキラと帰っていく(山碧木 星)
   
【評】予てから言っていることだが、「題詠」は一種のことば遊び。いま心に積もるものを吐き出す詩作というより、題材の消化力と表現技法を競うゲームと言った方が適切かもしれない。従って、詠題をどう消化するかも作者の腕のみせどころになる。この作品は「新人君は背広を着たオノマトペ」としている。その発想がユニークで面白い。その意味では、1,2句は一行に表記して「新人君はオノマトペ」とすべきだったね。

 ―村瀬杜詩夫の作品―

 【自由詠】

   梅雨晴れ間
   何を祈るのか
   捨てられた
   ビニル傘は
   十字架(クロス)の形  

 【題詠/新人】 

   新人らしからぬ弁舌
   だが、あのシタリ顔が
   気に食わない
   内容空疎な小泉節は
   親父だけにして
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