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河村さん、小沢さん、そして『ちびくろサンボ』

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 妙なタイトルをつけてしまったが、この三題噺どう繋がるか筆者にも見当がつかない。
冒頭の写真はギリシャ神話の正義の女神テミスである。日本では裁判所をはじめ、法曹関係者のシンボルとしてバッジなどの使われることが多い。右手に持つ剣は破邪顕正、左手の天秤は公正、目隠しをしているのは権力や財力からの誘惑に乗らないことを表している。こんな写真を掲げたからといって、正義の論が展開されると思われては困る。これから書こうとするのは、ニュースを裏側から見るというジャナリスト根性―いや、もっと正直に言うと、単に筆者の気散じ、憂さ晴らしに過ぎない。そう思ってお読み戴きたい。

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 先ず、トップバッターは河村名古屋新市長。60万余票を集めた断トツの勝利で、名古屋市長に再選された。昨日は各TV局で引っ張り凧だった。相変わらずの名古屋弁で、口にするのはゲンゼイ一本槍。選挙運動もハッピ姿に野球帽で自転車を乗り回すというパフォーマンスぶりだった。おまけに今回は自民党を出て知事選挙に立候補した大村氏、応援に駆け付けた橋下大阪府知事を加えてパフォーマンス三人男の揃い踏み。アクが強過ぎて聊か鼻につく。ドングリ眼でギャアスギャアスと捲り立てるのを見ていると、ヒキガエルみたいで気持ちが悪かった。減税というと聞こえはいいが、恩恵を受けるのは金持ちばかりで一般市民は数百円減税の裏で福祉予算などが削られることに、なぜ気がつかないのだろう。名古屋市の借金は1兆円近いとみられるが、それへの具体的な対策は何も無い。1割減税で税収は2,300億減るが、市会議員の報酬を半分に減らしたとしても せいぜい100分に1ぐらいにしかならない。後は福祉や教育予算への皺寄せは必至だろう。名古屋市民は、そこまで考えて河村氏を選んだのだろうか。パフォーマンスに幻惑されて後悔した小泉構造改革の記憶を、もう忘れているようだ。地鶏、宮崎牛、マンゴーの宣伝だけで公約の企業誘致などは10%程度という実績で、さっさと中央政界への転身を考えているタレント知事と同じ道を歩もうとしているのではないか。今日の新聞もTVも、八百長相撲と新燃岳噴火に報道が集中して、名古屋政変はもう忘れかけられている。河村さんよ、あんまり市民を舐めたら どえらいことになるでよう。

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 カエルのパフォーマンスで騒がしいのは、地方政界ばかりではなかった。いま国会では、予算審議が酣のはずである。ところが、やっていることは小沢一郎氏を証人喚問せよとか、辞職させよとか、くだらねえことばかりを大小のカエルが喧しく鳴き合っている。小沢問題は、簡単に言えば政治資金の届け出の書き方を間違えたかどうかという問題じゃあねえか。国民生活に直結した予算審議をソトップして騒ぎ立てるほどのことじゃああるまい。タニガキカエルをはじめとした野党カエル、カンカエル以下の民主カエルの意図ははっきりしている。ヒール役の小沢カエルを叩くことで人気投票の票を稼ぎたいたいのだ。新聞やTVも「強制起訴」と騒ぎ立てるから、国民は内容も解らぬまま、強制起訴というからにはさぞかし大罪を犯したのであろうという暗示にかけられてしまう。小沢氏はプロの検事が2回に亘って取り調べた結果、犯罪の事実は無いということで告訴を見送った事案を、言わばアマチュアの検察審査会が告訴すべしとしたため、法律に従って“強制的に“起訴されたものである。いったい、この検察審査会とは どんな組織かご存じだろうか。最近話題になっている裁判員制度の検察版と思えばいい。裁判員制度は裁判に一般国民の意思を直接反映させようと抽選で選ばれた裁判員が裁判に陪席する制度である。検察審査会は、告訴権を検事だけに独占させておいては万一にも罪を免れる者が出るのを防ぐため、民間人を審査員にして告発権を与えようという制度であるが、この制度には問題点も多い。法律のことは全く解らない素人の審査員には弁護士の中から選ばれる審査補助員が付いて専門的な助言を行うのだが、その内容をチェックしたり公にされることは無い。もし補助員の中に悪い奴がいて私怨で或る人物を陥れようとすれば、いくらでもできる。何れ裁判をするのだからといっても、「強制起訴」されたというだけで被告が社会的の葬られてしまうのは小沢問題を見れば明らかである。無実の者を恰も犯人のように扱った責任は、いったい誰がどのようにとるのであろうか。審査員制度には指導補助員の発言内容の誤りをチェックする方法、補助員の発言に疑義がある場合の会議録を公開するなど、これから検討しなければならない問題点が多い。
 みなさんも、政治家の派手なパフォーマンスに騙されて、世論とか与論の裏に潜む真実を見失う衆愚の一人になりませんように…。

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 衆愚という言葉が出たついでに、締めとしてコワ~イ話を紹介させて戴く。現在25歳以上の方なら恐らく全員がご存じと思うが、当時『『ちびくろサンボ』或いは『ちびくろ さんぼ』という翻訳絵本が多くの方に読まれていた。写真左は岩波書店版、右はポプラ社版だが、2社以外に70種類ほどが独自の翻訳と挿絵で出版していた。
この本の原作は絵も共に英国の主婦・ヘレン・バンナーマンさによって書かれ、英国のグラント・リチャーズ社より出版された。内容は黒人少年が虎と戦って負けた虎がバターになってしまったたり、悪いサルに攫われた双子の弟を大鷲の協力で救い出すといった単純なものだった。ところが版権の管理が曖昧だったので世界中で海賊版が次々に出回り、筋もかえられたり、原作ではインドの少年だったサンボがアメリカインディアンの子どもにされたりした。こんな事情から、日本でも多くの出版社が競合するということになった。

 この本が、1988年を境に一斉に書店から姿を消した。原因は岩波書店に送られてきた「黒人差別をなくす会」からの『ちびくろ さんぼ』は黒人差別だから直ちに販売を中止せよという抗議文で、岩波書店は直ちに同署を回収した。抗議文は他の出版社にも送られ、他社も一斉に発売を中止した。地方の図書館や小学校の中には同署を集めて焼くという始皇帝やナチの焚書もどきの光景まで現出した。

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 本の内容も絵も黒人を差別したり侮辱したりした箇所は無く、同署の排斥運動に疑問を持つ人も少なくなかったが、狂気のように沸き立った世論には抗すべくもなかった。なにしろ叡智の集団のような岩波書店が真っ先に絶版に踏み切ったから、他も考える暇もなくこれにならったのだ。この風潮はサンボだけにとどまらず、カルピス社の黒人を使った広告(写真左)、タカラ社の「だっこちゃん」(写真右)なども姿を消す運命となった。
多くの出版社を震え上がらせ、世論に火を点けた「黒人差別をなくす会」とは、一体どんな団体だったのだろう。本部は堺市にあり、書記長は有田太氏。当時小学4年生だった。ちなみに会長有田利二氏は太書記長のお父さん、副会長はお母さんの喜美子さんで、当時の会員は以上の3名だけだったという。会員が3人だから、家族でやったのから悪いなどとは決して思わない。彼らは彼らなりの信念をもって抗議したのであろう。筆者が恐ろしいと思うのは、一通の抗議文に恐れ戦いて自社出版物を破棄した出版社の態度、何らの検討、議論もなく雪崩のように『ちびくろサンボ』を抹殺した世論、与論の在り様である。将に衆愚としか言い様が無い。筆者もまた、沈黙を通した衆愚の中の一人。省みて忸怩たる想いに堪えない。

 岩波書店版『ちびくろ さんぼ』(ヘレン・バンナーマン:文 フランク・ドビアス:絵 光吉夏弥:訳)は、2005年4月15日に瑞雲舎(井上みほ子代表)によって複刊された。せめてもの救いである。瑞雲舎のホームページによると、「小社でも検討に検討を重ねた結果、その内容や文章表現に何らの差別は無いと判断し、復刊することにしました」としてある。




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