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季節のことばー安居ー

安居


安居1


安居神楽


   石仏の安居何おをか会得せし (静塔)
   汲み置きの水照り返し夏安居 (狩行)
   宿墨の幽かに薫る安居かな  (杜詩夫)

 この三句を声に出して読んでいただきたい。句のなかの安居は「あんご」と読むのだが、「あんきょ」と読んだからといって恥じることはない。夏の季語だから俳句をやっている人はご存知だろうが、一般には馴染みの薄いことばである。
 安居とは元々、梵語(サンスクリット)の雨期を日本語に訳したもので、日本では僧侶が旧暦4月16日から7月15日まで一堂に篭って修行することを言う。本来の目的は雨期には草木が生え繁り、昆虫、蛇などの数多くの小動物が活動するため、遊行(外での修行)を止めて一カ所に定住することにより、小動物に対する無用な殺生を防ぐことである。後に雨期のある夏に行う事から、夏安居(げあんご)、雨安居(うあんご)とも呼ばれるようになった。季語としては夏行(げぎょう)、夏篭(げごもり)、夏断(げだち)、夏入(げいり)、結夏(けつげ)、解夏(げげ)など、全て同じ意味で遣われる。

【番外閑話 Ⅰ】
 10年ほどまえになるが、中浜万次郎の本を書くために1ヶ月ほど、高知に滞在したことがある。その折に仁淀川町(旧池川町)に伝承されている安居神楽を見たことがある。仁淀川支流の安居川沿いの落人部落に伝わるのが名前の由来と聞いた。最近になって僧侶の安居と関係があるか調べてみたが、得るものはなかった。神楽は宮中で行われる御神楽(みかぐら)と、民間で行われる里神楽に大別され、里神楽は更に巫女神楽 、出雲流神楽 、伊勢流神楽、獅子(しし)神楽と別れる。土佐神楽は 伊勢流神楽の流れらしいということで、仏教よりもむしろ神道、修験道に関係するように思われる。

【番外閑話 Ⅱ】
 坂口安吾の本名は炳五で、丙午(ひのえうま)生まれの五男坊に因んだものだが、彼自身が印度哲学を専攻して仏典の安居からペンネームを安吾としたのではないか…これは師の檀一雄から直接聞いた話だが、酒席でのことなので当てにはならない。

      (写真:上から安居の読経2景、安居神楽)
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